<相次いで100歳の老人が新型コロナウイルスの医療従事者を支援や犠牲者のために寄付金集めの「チャレンジ」を行っていることが話題になっている...> 同じ100歳の退役軍人に刺激され 4月に、英国の国営医療サービスNHS(国民保健サービス)や医療従事者を支援するための寄付金集めに、自宅の庭を100往復する「チャレンジ」を行い話題になった、100歳の退役軍人トム・ムーアさんを知っている人は多いだろう(チャレンジ開始当時は99歳。4月30日に100歳を迎えた)。同じ英国で、また別の100歳が新型コロナウイルスの犠牲者のために「チャレンジ」を行っていることが話題になっている。これまでに17万ポンド(2200万円)以上を調達した。 寄付金集めのチャレンジを行っているのは、ロンドン郊外セント・オーバンス在住のダビラル・チョードリーさんだ。チャレンジを始めたきっかけは、自宅の庭を100往復して40億円以上を調達したムーアさんを見て刺激を受けたことだった。自分もコロナウイルスの犠牲者や、貧困で苦しむ人たちのために資金を集めたいと思ったという。 そのため、チョードリーさんの挑戦も、庭を歩くことだ。自宅そばにある幅80メートルの共同庭を歩き続けている。当初の目標は100周だったのだが、チョードリーさんの息子、アティーク・チョードリーさんがロシア系映像通信社のラプリーに話したところによると、当初目指していた調達額をすぐに突破してしまったため、目標を500周に引き上げたという。ラプリーがインタビューした時点(映像の公開は5月8日)では、すでに350周を完歩していた。 チョードリーさんが挑戦を始めたのは、4月26日。始めて8時間もしないうちに、当初の目標だった1000ポンド以上の寄付が集まった。8日後には6万ポンドに達したという。5月21日現在では、17万ポンド以上集まっている。 「気分が良くなる」とラマダン終了まで続行予定 チョードリーさんはイスラム教徒であるため、現在はラマダン月の断食中だ。今年のラマダンは4月23日に始まり、5月23日に終了する。この間、日の出から日没までは、飲み物も食べ物も口にしない。そのためチョードリーさんの挑戦も、「断食ウォーク」となる。 チョードリーさんはラプリーの映像の中で、「走れば走るほど、気分が良くなる。神のご加護だ」と話している。このままラマダンが終わるまで、断食しながらチャレンジを続行し、寄付金を集めるつもりだという。 息子のアティークさんはBBCロンドンに対し、チョードリーさんがチャレンジを始めたばかりの頃はゆっくりした歩みだったが、どんどんペースを上げ、今は1日30周ほど歩いていると話した。歩き続けたがるチョードリーさんを止めるのに家族は苦労している、とアティークさんは胸の内を明かした。チョードリーさんが歩く姿は、杖などもついておらず元気そのものだ。 ===== アティークさんはまた、誰もが自主隔離をして屋内にとどまり、ほとんどどこにも行かれない状態だが、100歳の人が共同庭を使って心身ともに活動的でいられる姿は、みんなに元気を与えてくれると話した。 このチャレンジは、英国にあるバングラデシュ人コミュニティ向けのテレビ局チャンネルSが運営する慈善事業プロジェクト「ラマダン・ファミリー・コミットメント」(RFC)の一環だ。集められた寄付金は、RFCのパートナーである慈善事業団体を通じ、英国や、チョードリーさんの出身地である現在のバングラデシュ、その他50カ国のコロナ犠牲者や貧困で苦しむ人たちの支援に使われる。 キャプテン・トムは2冊の本を出版 なおチョードリーさんが刺激を受けたという「キャプテン・トム」(トム大尉)ことトム・ムーアさんだが、その後は名誉大佐の称号を与えられている。また、秋には2冊の2冊の本の出版が控えている。9月に刊行予定の自伝と、10月に刊行予定のムーアさんのチャレンジなどを描いた子ども向けの絵本だ。 前払い金としてムーアさんは、出版社から150万ポンド(約2億円)を受け取ったとの憶測が流れていた。さらに、ムーアさんがこの前払い金も慈善団体に寄付する予定だと噂されていた。ムーアさんはその後、孤独の撲滅に向けた活動やホスピス支援、大切な人との死別に苦しむ人たちの支援などに向けた基金「キャプテン・トム・ファウンデーション」を立ち上げており、2冊の本からの収入は、この基金運営に役立てられるようだ。 ===== 100-year-old walks hundreds of laps in his London garden to raise money for COVID-19 victims