<ツイッターの健全化のため、「不届き」なユーザーに行動変容を求める試み。効果はあるか?> ツイッターは、ユーザー同士のやり取りの「健全性」を高めるため、ユーザーがニュース記事を読みもせずに拡散するのを防ぐ新機能をテストしている。 「インフォームド・ディスカッション(情報に基づく議論)」を促進するための対策の一環だ。現在は実験的にアンドロイド端末のユーザー向けに実験しており、ニュース記事を開かずにリツイートしようとすると「プロンプト(催促)」が表示される。 ツイッターのユーザーサポートには、「記事の共有が炎上を引き起こすこともある。だからツイートする前に読んでみては」と書かれている。 「情報に基づく議論を促進するために、ツイッターは新たな『プロンプト』機能をテスト中。ツイッター上で開いていない記事をリツイートすると、まず開けた方がいいのではないかと尋ねるかもしれない」 このテストの告知ツイートで、CEOのジャック・ドーシーは、「いま拡散しようとする記事は読んでいる?」と問いかけた。これにコメントしたのが、なんとスペースXのイーロン・マスクCEO。「大事なポイントだ。多くの記事は、タイトルだけ見てリツイートされている」 Great point. Many articles are retweeted based on headlines that don't match the content.— Elon Musk (@elonmusk) June 10, 2020 テストの対象ユーザー数や、実施期間については、まだ明らかになっていない。 表示を無視して拡散も可能 ユーザーからの質問にユーザーサポートが答えた回答によると、プロンプトは広告とは無関係で、ユーザーにはプロンプトを無視して記事を拡散する自由もある。 履歴を追跡されるのが不安だというユーザーには、「チェックするのは、記事リンクをツイッター上でクリックしたかどうかだけだ」と回答。「プロンプトが出ても、そのままリツイートする選択肢は常に残っている」 またこの実験の動機について「ツイッター上のやり取りの健全性向上策を開始するため。この方法で情報に基づいた議論が促進できるか確かめたかった」と説明している。 プロンプトの表示は現在、ニュース媒体へのリンクだけに適用されているという。 <参考記事>トランプの投稿に警告表示を付けたツイッターをフェイスブックも支持? <参考記事>ツイッター、トランプの投稿に再び注意喚起 ミネソタ州デモに関するツイートに ===== ツイッターのプロダクトリーダー、ケイボン・ベイクプールは、未読のリンクや記事が拡散されるのは「影響が大きく、時として危険だ」とツイートしている。 米コロンビア大学とマイクロソフトリサーチが2016年に公表した研究によると、ツイッターに投稿されたリンクの60%近くは全くクリックされていなかった。 ツイッターは今年5月、iOSユーザー向けに、「有害な」表現を含む返信について再考を促す機能のテストも実施している。 「発言を投稿前に再考するよう促している。投稿の瞬間に熱くなり、あとで後悔するようなことを言ってしまうユーザーもいるからだ」と、ツイッターのサイトポリシー責任者はロイターの取材に答えている。 ドーシーは、ここ数年ツイッターの「健全性」を高める施策に力を入れてきた。「これまでの対策の主眼は、ツイッターの規約に違反する内容を削除することだった。だが今は、より健全な議論を促進するシステムを構築することに力を入れている」と、ドーシーは2018年に考えを述べている。 ツイッターは5月末、黒人男性死亡への抗議デモをめぐるドナルド・トランプ米大統領の投稿に対して、「暴力を美化している」という注意喚起の表示を付けた。そして、「このツイートは暴力の美化に関するツイッターの規制に違反している。しかしツイッターは、アクセス可能にするのが公共の利益と判断した」という通知をクリックしないと読めないようにした。 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」